台湾旅行でおそらく魯肉飯(ルーローハン)を食べない人はいないと思いますが、実は朝から魯肉飯を食べられる食堂はあまり多くありません。当然、台湾での朝ごはんといえば、蛋餅(ダンピン)だったり鹹豆漿(シェンドウジャン)だったりが有名なのですが、どうしても朝から魯肉飯を食べたい。そしておいしい魯肉飯を食べたい。ということであればお勧めのお店があります。
雙連駅そばの許記
お店の名前は許記と言います。朝市で有名な雙連駅から歩いて3分くらいの路地裏にあるお店で、お昼時間帯には地元の方でごった返すほど人気のお店です。
市街では、主要道路を外れると道もガタついていたり、段差も多かったりで大きなカバンを持って歩くのは大変だったりしますが、あちこちから食堂のいい香りが漂ってくるのがローカル感を感じさせるポイントだったりします。
大きな道路から1ブロック内側に入って少しばかり歩くと、赤いレンガ造りの建物、そして赤い看板とかわいい豚さんが視界に入ってきました。目指していたお店です。歩道に張り出した建物の1F部分にも机やいすが並べられているのは台湾では当たり前の光景で、そこで食べている人がいるからこそ人気の証拠でもあります。メニューの中心は麺・湯
訪問した時間はやや早めで、少し空いていたので店内のテーブルにつくことにしました。さてメニューはこちら。
麺と湯(スープ)がメインのようですが、小菜(シャオツァイ)類も豊富。オーソドックスな料理で安心感のある内容だと思います。店内に張り出していあるメニューはこのような感じで、やはり麺と湯が鉄板となっているようです。
今回は、どうしても魯肉飯が食べたかったので、魯肉飯-小と小菜は滷鴨蛋(ルーヤーダン)と嘴邊肉(ズェィビエンロウ)を注文しました。滷鴨蛋は鴨の煮卵、嘴邊肉は豚のほほ肉をゆでたものです。注文は、店先に以下のように2つのメニュー表があるので、店内飲食であれば、内用(ネイヨン)を1枚とペンをとってテーブルに向かいましょう。老眼鏡も置いてあって親切。
店内の様子
店内はとても清潔感があり、「きったねぇなぁ」と思うことは一切ありませんでした。若干汚いくらいが台湾のローカル食堂として旅行気分を味わうことができると思いますが、きれいに越したことはない。
お皿も丁寧に重ねてあり清潔感あり
整理整頓
さっそく魯肉飯からいただきます。
パクリといただくと、まず癖のない味だなぁという印象。八角などは入っていないと思われます。一般的に魯肉飯は甘い味付けが多い印象ですが、こちらはもちろん甘いには甘いのですが、醤油の味付けが強く、どちらかというとしょっぱさを感じる魯肉飯です。
そこに合わせて食べたいのが滷鴨蛋、つまり煮卵です。
こちらのお店の煮卵は、鶏ではなくて鴨の卵です。味の違いは特にあんまりないと思うのですが、鴨は黄身の割合が多いのが特徴。そしてもう一つ、メインディッシュとして注文した嘴邊肉(豚のほほ肉)が素晴らしかった。
付属の甘じょっぱくてニンニク風味のタレをつけ、針ショウガと一緒に食べるという文化がある台湾は本当にすごいと思います。ただでさえ柔らかくてジューシーなほほ肉が、複雑で深みのある食材に変化しまくって一言でいうとおいしい。このようなタレ、ほとんどのローカル食堂で出てくるのですが、スーパーで瓶詰めがあったら買って帰りたいほどです。そしてこのお店のGoodポイントはさらに卓上にあります。
辛い調味料の辣醤(ラージャン)はポピュラーですが、左にある辛み大根は卓上調味料としては非常に珍しいです。少しとって食べると、ピリリと辛い大根なんですが辛いだけではなく少し熟成させたような深みのある味わい。これを魯肉飯にぶっかけて食べると甘じょっぱ魯肉に辛みとコリコリ触感が加わってまた違う味わいになります。つまりおいしい。魯肉飯食堂に来たら、プラスでスープもつけたいところなのですが、一軒でおなか一杯になってしまうのはもったいないので今回は以上としました。とはいえ、魯肉飯だけでは物足りないので、小菜1~2品をつけて食べるのがおすすめです。
そして、日本語が通じるところも大きなポイント。安心してお店に入って会話を楽しみましょう。
許記
【営業時間】5:30~13:30
【定休日】月曜日
ちなみに、たくさんある小菜。メニューを見ても何が何だかよくわからない場合は、店頭で指差し注文するのもありです。
おすすめも日によって違う時もあるので、お店の方に聞いてみてもいいかもしれません。優しくお答えしてくれると思います。